博士の愛した数式
今年初めには映画化されたほどの人気作。
数学を題材にした小説であるにもかかわらず、
読みやすい文章で書かれており、数時間であっという間に読めてしまう。
今となっては全然使うことのない公式たちもいくつか登場しており、学生の頃が懐かしくなった。
物語の途中には数学史上最も美しいとされる
オイラーの公式(eπi + 1 = 0)も登場する。
残念ながら、私には数の美しさを理解することは
できそうにないが、それまでは別々の分野で研究され、
関係性がないであろうと思われてきた
意外な3つの数の組み合わせ
(自然対数の底であるe, 円周率π, 虚数i)が
実はシンプルな法則によって結び付いていたというところに
数学者は驚きと美しさを感じるのであろうか。
物語の後半には、最初は全く相容れなかった「博士」、「私」、「未亡人」の3人が、
数学と「私」の息子である「ルート」によって
少しずつお互いを理解し、お互いを思いやり、そして調和していく。
それはオイラーの公式のように美しいのだ。と作者は言いたかったのだろうか。
私にはなんというか、ちょっと綺麗すぎて
素直に感動できなかったというのが正直な感想だったりする。
それでも、読み終わった後は、ちょっとだけ穏やかな気持ちになれる。
自分も、もう少しだけ謙虚で優しくありたいなと思えてくる、そんな一冊。