2006年10月18日

有罪判決のイーホームズ藤田社長の爆弾発言

10月18日、架空増資で有罪判決となったイーホームズ藤田社長が
記者会見で「アパ」グループのマンション・ホテル3件にも耐震偽装があると発表した。

逮捕された本当の理由は、そのアパグループの耐震偽装の隠蔽工作だと藤田社長は言う。

果たして真実なのか、私には判断がつかない。
耐震偽装事件に特別詳しいわけでもない。

ただもし私が、藤田社長が言うアパグループの該当物件に住んでいたら、
藤田社長という人がこんなことを言ってるという事実を知っておきたいと思うだろう。

何かあってからでは遅いのだから。大切な人を失ってからでは遅いのだから。

以下、「きっこの日記」から藤田社長の記者会見の内容と、その後のきっこさん宛てのメッセージを全文転載する。(転載OKとのことなので。)

【記者会見で配布された資料】
「東京地裁での判決に際して、マスコミの皆様へ、そして国民の皆様へ」

今日、東京地裁で、僕に対する判決が出ます。
耐震偽装事件に関係した裁判では一番最初の判決です。
僕は、この裁判の容疑や内容については、話す意味がないと思いますのでコメントはしません。

僕を逮捕した本当の理由は、国が、アパのマンションやホテルの偽装を隠蔽するために、藤田東吾を逮捕して黙らそうとして、行なったものと考えています。

イーホームズでは、平成18年2月に、アパグループのマンションの偽装を発見しました。アパのマンションやホテルの構造設計を一手に行なっていた、田村水落という設計事務所の水落代表がイーホームズに来社して、「こんな偽装の手法は、姉歯より俺が先に初めた」と豪語しました。「建築確認を早く取るために、構造設計にかける時間が少ないから構造計算書を偽装(改ざん)するなんて、他(の構造設計士)にも沢山いるよ」と平気で言いました。実際に、田村水落がイーホームズに申請をしていた3件の物件に偽装が発見できました。その他の物件は、役所や他機関に提出してきたと言いました。その後、アパの取締役や責任者の方が来社して、アパに関する偽装の隠蔽や計画変更を要請しました。全く、ヒューザーの時と同様です。

イーホームズで受け付けていた3件の物件の内2件は、イーホームズでは計画変更も、再計算も適わないと判断したので、現在、工事は止まったままです。取り壊しもしていません。事件が風化したら、工事を再開して、販売するのかもしれません。「アップルガーデン若葉駅前」と「アパガーデンパレス成田」です。他の1件は、川崎市の物件で、川崎市で計画変更の処理がなされました。しかし、本当に重要なことは、住民や利用者の命に被害を与える可能性であり、それは、工事中のマンションやホテルではなく、既に完成して入居済みの物件です。

僕は、国交省に対して、イーホームズで受け付けた以外のアパの物件を調査するように糾弾をしてきました。国は関知しないと言いました。アパは工事を止めませんでした。これも、ヒューザーの時と同様です。この状況が、4月まで続いた中で、4月26日に僕は逮捕されました。逮捕自体の「見せ金」の容疑は、たとえお金はすぐに返済して誰に迷惑をかけなかったとしても、違法を行なった者として罰を受けなければいけないことだと反省しております。

多くの国民の皆様から激励のお手紙を頂きましたが、僕は以上の経過をずっと黙ってきました。もし、言ったとしても、国は隠蔽するために何をするのか分らなかったし、社員もいたので、安全を優先しました。また、アパの元谷会長が、安倍晋三官房長官(当時)の後援会である、安晋会の副会長を務めていたことも、当時は知りませんでした。
今、イーホームズの社員は、全員、再就職が決まり、新しい道を歩んでいます。そして、僕は一人になりましたが、僕が知る真実をここに語ることは、イーホームズを創業した者として、代表を務めた者として、そして21世紀に日本に生きる者としての責任だと思います。よって、ここに発表を致します。

耐震偽装事件の本質は、決して、ヒューザーやアパだけの問題ではありません。また、法的には、確認検査制度の問題ではなく、大臣認定制度の問題のはずです。構造計算書が、偽装(改ざん)可能なレベルで、構造計算プログラムの運用プロセスを評価/認定した、財団法人日本建築センター(国の天下り機関)と国土交通省住宅局建築指導課に責任はあります。アパやヒューザーは、この観点からは被害者です。但し、デベロッパーとして、自らが作ってきたマンションやホテルの、住民や利用者の命の安全を無視してはいけません。平成18年5月22日に、北側国土交通大臣も同様の発言を国会で行ないましたが、この発言はマスコミが取り上げませんでした。官僚がマスコミを情報操作の一手に使う表れだと思っています。

よって、僕は、日本の建築行政を担ってきた一員として、この真実を公表いたします。

また、僕は、「耐震偽装」と題して、僕が知る真実を本に書きました。ペンの力によって、耐震偽装が何であったのかをお伝えするべきだと思ったからです。既に原稿は、ある出版社に入れてありますので近く出版されると思います。たとえ、僕の身に何があったとしても、イーホームズの理念であった、『21世紀の住環境の質の向上に貢献する情報提供』を果したと、僕は思っています。

最後に、結果として、国民の皆様には、構造計算書に関わる国家の不正を公表したことで、不安と混乱をいたずらに招いてしまったことを、ここに深くお詫び申し上げます。

申し訳ありませんでした。

平成十八年十月十八日  藤田東吾

【藤田社長からきっこさんへのメッセージ】

きっこ様

藤田です。今日は援護射撃ありがとう御座いました。心強かったです。

僕は、きっこさんとはお会いしたこともお話したこともありません。ただ、僕が知っている耐震偽装事件の真実を、唯一、ありのままの形で取り上げてくれた日本のメディア(=「きっこの日記」)を運営されている方であることを、知っているだけです。

耐震偽装事件を通じて、マスコミとはどういうものなのかが良く分りました。新聞では朝日新聞が最も良いだろうと思って、去年の12月上旬に築地本社を訪ねました。たとえ、イーホームズに批判的な記事を書いたとしても構わないから、僕らが知る全ての事実を伝えるので、この事件をしっかり記録して記事にしてくださいと頼みました。耐震偽装を担当していた斉賀さんというデスクの方が応対してくれ、僕の趣旨を理解してくれ、担当記者をつけてくれました。12月13日に大臣認定プログラムが改ざん可能であるとの記事を書いてくれたのはこの方達です。他の報道関係者に較べて、最も、技術的学識的観点から確認検査制度や構造設計を勉強して記事を書いていました。

僕らは、年が明けて2月に入りアパを糾弾し始めました。斎賀さんが亡くなったのはこの時期です。そして、担当だった記者の方は担当から外されました。因果関係は僕には分かりません。そうした事実が符合しているだけです。そして、3月3日に、合同捜査本部の緊急立入捜査が入ります。アパの関係も含めて多くの資料が没収されました。しかし、僕らは、手元に残していた資料をもってアパの糾弾を続けました。結果として、4月26日に僕が逮捕されることで、会社の存続を断念せざるを得ませんでした。8月31日に最後まで残務整理の為に残っていた社員の再就職が決まりました。この日から、僕は、僕が辿った道筋を書き始めました。

僕は、我が子同然であったイーホームズという命を弔うために本を書きました。ある出版社に入稿もしました。そして、もしもの時を考えて、信頼できる複数の友人にも原稿ファイルを渡してあります。きっこさんにもお渡ししました。

いろいろと長くなってしまいましたが、本当にありがとう御座いました。
(以上の文責は当然に僕にありますが、もし、この文章を他に転載しようとされる方がいるなら、僕は構いません)

藤田東吾

【参考リンク】
・きっこの日記
http://www3.diary.ne.jp/user/338790/

・livedoorニュース:有罪藤田社長 「爆弾発言」本当か
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2593588/detail

・らくちんランプ:藤田東吾社長の告発分の内容は真実です。
http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/4369557.html#more

2006年10月12日

7年前の暴行事件を理由とした退職処分は無効

[最判H18.10.6]

【訴訟内容】
7年前の暴行事件を理由とした退職処分は無効であるとして、
従業員2名が従業員の地位の確保と解雇日以降の給与・賞与
並びにこれらに対する損害遅延金の支払いを求めて訴訟を起こした。

【暴行事件の背景】
1. 従業員の1人が体調不良を理由に欠勤し、
この欠勤を有給休暇に振り替えようとしたが、上司が認めなかった。

2. 平成5年10月25日、有給休暇を認めないことに腹を立てた
従業員らは上司のネクタイや襟をつかんで
その身体を壁に押し付けるなどの暴行を加えた。

3. その翌日、さらに上司のひざをけり上げる、首を締め上げる、
右手小指をつかんでねじり上げるなどの暴行を加えた。
上司は、けい部捻挫、左ひざ挫傷、右小指挫傷の障害を負った。

4. 平成6年2月10日、従業員の1人が風邪を理由に欠勤したが、
上司は有給休暇への振替を認めなかったため、
腹部を殴打する暴行を加えた。

【判決】
退職処分とするには客観的に合理的な理由を欠いているといわざるを得ない。
よって、退職処分は権利の濫用として無効である。

【理由】
1. 今回の暴行事件は就業規則所定の懲戒解雇事由である
「会社内において、暴行、脅迫、監禁その他これに類する行為を行ったとき」
に該当するのは明らかである。

2. しかしながら、就業規則所定の懲戒中に該当する事実が存在する場合であっても、
それが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものと是認することが
できない場合、権利の濫用として無効にすべきである。

3. 退職処分が暴行事件から7年以上経過したことに対して
被上告人(上司)は警察の捜査の結果を待っていたとしているが、
管理職以外の目撃者もいたため、警察の捜査を待たずとも
処分を決定することは十分に可能であった。

4. 警察の捜査の結果によって処分を検討するとしたのであれば、
捜査の結果が不起訴処分であった場合には退職処分のような重い処分を
行わないのが通常の対応であり、一貫性を欠くものと言わざるを得ない。

5. 上記により、長期間にわたって懲戒権の行使を留保する
合意的な理由は見出し難い。
よって、退職処分は権利の濫用として無効とする。

【最後に・・】
退職処分にするまでが遅すぎるうえに
不起訴処分になった事件を理由にした退職処分は
重い処分であると判断されたようです。

ところで、上司が有給振り替えを認めなかった理由ってなんだったんでしょう。
私が働いている会社では普通に有給に振り替えているので・・。
そこは争点にはならなかったのでしょうか。んー。

【参考文献】
最高裁判所判例集: 労働契約上の地位確認等請求,民訴法260条2項の申立て事件(H18.10.6)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33623&hanreiKbn=01

2006年10月11日

【C#.NET】 値渡しと参照渡し

値型をメソッドの引数に指定すると値渡しとなる。
参照型をメソッドの引数に指定すると参照渡しとなる。

値渡しは値がコピーされるのに対し、参照渡しは参照がコピーされる。

基本的にはJavaと同様ですね。

※もちろん、メソッドの引数に渡すだけではなく、変数やプロパティへの代入も同様の動作をします。

しかし、JavaとC#では値型の定義に違いがあります。

Javaの値型(プリミティブ型)はbyte, short, int, long, char, float, double, booleanの8つですが、C#の場合は構造体と列挙体が値型になります。

・構造体(struts)・・整数型, 浮動少数点型, decimal, bool, ユーザー定義のstruts型など。
・列挙体(enum)

※ 値型の詳細は下記のmsdnを参照
http://msdn2.microsoft.com/ja-jp/library/s1ax56ch.aspx

※ C#の参照型の例としては、stringやユーザー定義のクラスなどが挙げられる。

ところで、C#では値型を参照渡しする方法もあります。
メソッドの呼び出し元と呼び出し先の変数の前に
refまたはoutを指定する方法です。

refとoutの違いですが、refは入出力用、outは出力用の用途で使用します。

refの場合、メソッドにオブジェクトを渡す前にあらかじめ初期化しておく必要があります。
初期化をせずにrefオブジェクトとしてメソッドに渡した場合は、以下のようなビルドエラーとなります。
[未割り当てのローカル変数'hogehoge'が使用されました。]

outは初期化の必要はありません。初期化しても怒られませんが、意味がありません。
outを使った場合に、メソッド内で初期化処理をせずにメソッドの引数を読み取ろうとすると以下のようなビルドエラーが発生します。
[割り当てのないoutパラメータ'hogehoge'の使用です。]

outでは事前に初期化処理をしなくてもいいかわりに、
メソッド内で初期化処理をする必要があるのです。
もし、メソッド内で初期化をしなければ、これまた以下のようなビルドエラーとなってしまいます。
[outパラメータ'hogehoge'はコントロールが現在のメソッドを抜ける前に割り当てられる必要があります。]

2006年10月05日

1票の格差5.13倍は合憲

「最高裁、1票の格差5.13倍は合憲・04年参院選定数訴訟」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061004AT1G0403004102006.html

[最判H18.10.4]

【訴訟内容】
平成16年7月11日に施行された参議院議員選挙において、
公職選挙法14条にある議員定数配分規定は憲法14条1項に違反し無効であるから、
これに基づき施行された東京都選挙区における選挙も無効であるとして、
東京都選挙区の選挙人が訴訟を起こした。

【補足】
憲法14条.1項
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は
門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

【判決】
公職選挙法14条の参議院議員定数配分規定は,
平成16年77月11日に施行された参議院議員選挙当時,憲法に違反しない

【理由】
1. 憲法14条では、差別による禁止だけではなく、
投票価値の平等(各選挙人の投票の有する影響力の平等)をも含んでいる。

2. ただ、議員の定数、選挙区、投票方法などは
参議院の独自性や他の政策などを考慮した上で調和的に実現されるべきものであり、
国会の裁量に委ねられている。

3. それゆえ、国会が具体的に定めたところが、その裁量権の行使として
合理性を是認し得るものである限り、
それによって投票価値の平等が損なわれることになっても、
憲法に違反するとはいえない。

4. 一方、参議院では3年ごとにその半数を改選するため、
最低2名以上の偶数により定数配分を行う。
そのため、各選挙区の人口に比例した議員定数の再配分を試みても、
最大格差は1対4.87になってしまい、格差の是正を図ることが容易ではない。

5. また、平成18年6月1日に改正された公職選挙法に基づけば
最大格差が1対4.84に縮小する見込みである。

6. さらに、前回選挙当時において、最大較差1対5.06は違憲であるとはいえないと
結論づけた判決から6ヶ月しかたっていない。

7. 4, 5, 6より本件選挙までの間に定数配分を改正しなかったことが
国会の裁量権の超え、合理性を著しく欠いたものと断ずることはできず、
よって憲法に違反するに至っていたものとすることはできない。

【議員定数の不均衡に関する過去の判例】

・平成4年7月26日施行の参議院議員選挙の最大格差1対6.59については違憲(最判H8.9.11)
・改正後、平成7年7月23日施行の参議院議員選挙の最大格差1対4.97については合憲(最判H10.9.2)
・平成10年7月12日施行の参議院選挙当時の最大格差1対4.98も合憲(最判H12.9.6)
・平成13年7月29日施行の参議院選挙当時の最大格差1対5.06も合憲(最判H16.1.14)

【最後に・・】
過去判例を見ると、違憲判決のボーダーラインはおおよそ1対6以上ですね。

ところで、裁判所が違憲の判決を出すことはあっても、
選挙無効の判決を出すことはありえないのではないかと思います。
そんなことをしたら、国会が混乱してしまいますから(--:

では、勝ち目が低いのに(?)、どうして毎回のように訴訟を起こすのでしょう?
是非、伺ってみたいものです。

【参考文献】
最高裁判所判例集:選挙無効請求事件(H18.10.4)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33611&hanreiKbn=01