1票の格差5.13倍は合憲
「最高裁、1票の格差5.13倍は合憲・04年参院選定数訴訟」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061004AT1G0403004102006.html
[最判H18.10.4]
【訴訟内容】
平成16年7月11日に施行された参議院議員選挙において、
公職選挙法14条にある議員定数配分規定は憲法14条1項に違反し無効であるから、
これに基づき施行された東京都選挙区における選挙も無効であるとして、
東京都選挙区の選挙人が訴訟を起こした。
【補足】
憲法14条.1項
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は
門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
【判決】
公職選挙法14条の参議院議員定数配分規定は,
平成16年77月11日に施行された参議院議員選挙当時,憲法に違反しない
【理由】
1. 憲法14条では、差別による禁止だけではなく、
投票価値の平等(各選挙人の投票の有する影響力の平等)をも含んでいる。
2. ただ、議員の定数、選挙区、投票方法などは
参議院の独自性や他の政策などを考慮した上で調和的に実現されるべきものであり、
国会の裁量に委ねられている。
3. それゆえ、国会が具体的に定めたところが、その裁量権の行使として
合理性を是認し得るものである限り、
それによって投票価値の平等が損なわれることになっても、
憲法に違反するとはいえない。
4. 一方、参議院では3年ごとにその半数を改選するため、
最低2名以上の偶数により定数配分を行う。
そのため、各選挙区の人口に比例した議員定数の再配分を試みても、
最大格差は1対4.87になってしまい、格差の是正を図ることが容易ではない。
5. また、平成18年6月1日に改正された公職選挙法に基づけば
最大格差が1対4.84に縮小する見込みである。
6. さらに、前回選挙当時において、最大較差1対5.06は違憲であるとはいえないと
結論づけた判決から6ヶ月しかたっていない。
7. 4, 5, 6より本件選挙までの間に定数配分を改正しなかったことが
国会の裁量権の超え、合理性を著しく欠いたものと断ずることはできず、
よって憲法に違反するに至っていたものとすることはできない。
【議員定数の不均衡に関する過去の判例】
・平成4年7月26日施行の参議院議員選挙の最大格差1対6.59については違憲(最判H8.9.11)
・改正後、平成7年7月23日施行の参議院議員選挙の最大格差1対4.97については合憲(最判H10.9.2)
・平成10年7月12日施行の参議院選挙当時の最大格差1対4.98も合憲(最判H12.9.6)
・平成13年7月29日施行の参議院選挙当時の最大格差1対5.06も合憲(最判H16.1.14)
【最後に・・】
過去判例を見ると、違憲判決のボーダーラインはおおよそ1対6以上ですね。
ところで、裁判所が違憲の判決を出すことはあっても、
選挙無効の判決を出すことはありえないのではないかと思います。
そんなことをしたら、国会が混乱してしまいますから(--:
では、勝ち目が低いのに(?)、どうして毎回のように訴訟を起こすのでしょう?
是非、伺ってみたいものです。
【参考文献】
最高裁判所判例集:選挙無効請求事件(H18.10.4)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33611&hanreiKbn=01